コヨミカ
お知らせ コラム

令和8年8月8日、コヨミカをリリースしました

カレンダーアプリ「コヨミカ」が、App Storeで正式に配信を始めました。リリースをお知らせできたのは、令和8年8月8日。「八」が3つも並ぶ、末広がりの日です。せっかく暦のアプリの門出なので、「そもそも末広がりって何?」「なんで八が縁起いいの?」を、きちんと調べてまとめました。

最終更新 2026.08.08読み物

コヨミカ、正式リリースです

2026年8月7日の夜、コヨミカ 1.0 がApp Storeで配信開始になりました。そして翌日、こうして正式にお知らせを書いています。ふと日付を見ると、令和8年8月8日。狙ったわけではないのですが、「八」が3つ並ぶ日にご挨拶できることになりました。

コヨミカは、月をまたいでも途切れない「連続縦スクロール」が特徴のカレンダーアプリです。基本機能は無料で、週・日・リストビューやウィジェットなどの追加機能はアプリ内課金の「コヨミカ Pro」でご利用いただけます。アプリの詳しい紹介はトップページ使い方ガイドをご覧ください。

この記事では、リリースのご報告とあわせて、「八」と末広がりの話を掘り下げてみます。日付や暦の由来を調べるのは、カレンダーアプリを作っている私のいちばんの楽しみでもあるので。

「末広がり」とは、もともと扇のかたちのこと

末広がりとは、末(先)にいくほど広がっていくこと、そこから転じて「将来に向かってだんだん栄えていく」ことのめでたさを表す言葉です。

この言葉のふるさとは扇です。扇には「末広(すえひろ)」という異称があり、閉じた要(かなめ)から開いていくと、先の方がぱっと広がる。あの形そのものが「末広がり」の原風景でした。「末広」という言い方は古く、鎌倉時代の『方丈記』にも、扇を広げた形になぞらえる「扇をひろげたるごとく」という表現が出てきます。

扇が「めでたいもの」だったことを伝えてくれるのが、狂言の『末広がり』という演目です。主人が果報者の集まりの祝いに「末広がりを買ってこい」と太郎冠者を都へ使いに出すのですが、末広がり=扇だと知らない太郎冠者は、口のうまい商人に古傘を「これが末広がりだ」と売りつけられてしまう——という筋のお祝いの曲です。だまされるオチが成立するくらい、「祝いの品といえば末広がり(扇)」が当時の常識だったわけです。

この風習はいまも生きていて、結納品には「末広」と呼ばれる白い扇を納めます。「将来に向かって幸せが大きく広がっていくように」という願いは、何百年も変わっていません。

では、なぜ「八」なの?

答えは、あっけないほど見た目のままです。漢字の「八」は、上の一点から下に向かって、左右の裾がすうっと広がっていく。字の形そのものが「末広がり」なのです。富士山の稜線に見える、と言う人もいます。

正直に書いておくと、これは字の成り立ちの話ではありません。漢字の研究では、「八」はもともと二本の線が左右に「分かれる」さまを表した字で、原義は「分ける・分かれる」だとされています。「末広がりでめでたい」は、後の時代の日本人が字の形に見出した、いわば愛のある見立てです。いつ頃から言われるようになったのかは、はっきり特定できないようです。

ただ、数としての「八」が日本で特別だったのは、見立てよりずっと古くからです。『古事記』では神々を「八百万(やおよろず)の神」と数え、日本列島の異称は「大八洲(おおやしま)」。八重桜、八重霞、嘘八百——古い日本語の「八」は、具体的な数というより「とてもたくさん」を表す聖数でした。江戸の国学者・本居宣長も、八百万とは「数の多き至極を云う」と書いています。

つまり「八」は、数の意味では「あふれるほど多い」、字の形では「末広がり」。二重に縁起の良い数として、日本人に愛されてきたわけです。

おとなりの中国では、理由がまるで違う

「8」が縁起の良い数なのは中国も同じですが、理由を聞くと面白いほど違います。中国語で「八(bā)」の発音が、「お金持ちになる」という意味の「発財(fācái)」の「発(fā)」と似ているから。つまり、こちらは音の縁起担ぎです。2008年の北京オリンピックの開会式が8月8日の夜8時に始まったのは、この願掛けとして有名です。

数字の「8」を横に倒すと無限大の「∞」になるから、という比較的新しい見立ても、洋の東西を問わず語られます。

日本は字の形から、中国はから。まったく別の理屈で、同じ数字をめでたがっている。暦や数字の文化としてはこの「由来が別系統」というところが、調べていていちばん面白いポイントでした。

令和8年8月8日という日

令和8年8月8日は、和暦で書くと「八」が3つ並ぶ日です。この日は各地の自治体が婚姻届の臨時受付窓口や記念撮影のイベントを用意していて、「末広がりの日に入籍を」という人がたくさんいたようです。ちなみに8月8日は「そろばんの日」(パチパチ、の語呂合わせ)など、記念日としてもにぎやかな日です。

コヨミカのお知らせがこの日になったのは、繰り返しになりますが偶然です。それでも、暦を扱うアプリが、よりによって末広がりが3つ並ぶ日に門出のご挨拶をできたというのは、なんとも幸先が良い気がしています。

これからのコヨミカ

今後も、ユーザーの皆さまからのフィードバックをしっかりと受け止めて、自分好みにカスタマイズできて、使いやすいカレンダーアプリにすることを目指して、開発を続けていきます。「こうだったらいいのに」があれば、改善要望フォームからぜひ教えてください。アプリ内の設定 → フィードバックからも送れます。

六曜や旧暦、二十四節気といった「和の暦」の話が好きな方は、六曜と二十四節気の記事もどうぞ。コヨミカには、今日の日付を1枚ずつめくって楽しむ日めくりビューもあります。

コヨミカをApp Storeでダウンロード

iOS 18以上のiPhoneで、App Storeから無料でダウンロードできます。Pro機能はアプリ内課金でご利用いただけます。

App Storeでダウンロード

末広がりや「八」の縁起の由来には諸説あります。この記事では、辞書・古典・漢字研究者の解説などで裏付けの取れた説を中心にまとめ、成立時期がはっきりしないものはその旨を記しました。